復職後の共働き生活をスムーズに:夫婦で乗り越える仕事と育児の両立術
復職後の共働き生活、夫婦で「共に」乗り越えるために
第一子出産後の復職は、新たな生活の始まりであり、喜びとともに大きな不安を伴うものです。特に共働き家庭では、仕事と育児、そして家事の両立が現実的な課題として目の前に立ちはだかります。時間が足りない、体が休まらない、夫婦間で分担がうまくいかないといった悩みは、多くの家庭で共通して聞かれる声です。
しかし、これらの壁は、夫婦で「共に」乗り越える意識と具体的な工夫で、ぐっと乗り越えやすくなります。この記事では、復職後の共働き生活を円滑に進めるための具体的なヒントや考え方をご紹介します。
復職直後の壁を乗り越える準備と心構え
復職は、夫婦ともに生活リズムが大きく変わるきっかけとなります。特に復職直後は、慣れない環境で心身ともに疲弊しがちです。
1. 職場との連携を密にする
勤務時間や育児支援制度など、職場の利用できる制度は積極的に活用しましょう。時短勤務やフレックスタイム制度、在宅勤務オプションなどがあれば、利用を検討する価値があります。上司や同僚に、育児と両立しながら働くことへの理解を求め、必要に応じて業務分担や引き継ぎについて事前に相談しておくことも重要です。
2. 家族会議の開催と役割の再確認
復職前に、夫婦でじっくりと話し合う時間を設けることをお勧めします。 * 現状の家事・育児の分担を可視化し、それぞれの負担感を共有します。 * 復職後の生活スケジュールを具体的にシミュレーションし、どこに負担がかかりそうか、どう分担を調整するかを話し合います。 * 「これは相手の仕事」という固定観念を捨て、「お互いに助け合う」という共通認識を持つことが大切です。
夫婦で築く「共助」の体制
家事や育児は、どちらか一方に偏りがちですが、これは意図せず生じることも少なくありません。夫婦で協力し合う「共助」の体制を築くためには、まず現状を把握し、具体的な行動に落とし込むことが重要です。
1. 家事・育児のタスクを「見える化」する
「名もなき家事」という言葉があるように、気づかれないうちにどちらか一方が多くのタスクをこなしている場合があります。家事や育児のタスクをすべてリストアップし、それぞれの担当を明確にすることから始めましょう。
- リストアップの例:
- 朝食・夕食の準備、片付け
- 洗濯、取り込み、たたむ、収納
- 掃除(リビング、キッチン、風呂、トイレなど)
- 保育園の送迎
- 子供の入浴、着替え、寝かしつけ
- 買い物(食材、日用品)
- ゴミ出し
- 各種書類の管理、支払い
- 子供の体調不良時の対応
2. 得意と不得意、やりたいことを考慮した分担
すべてを平等に分けるのではなく、お互いの得意なこと、苦手なこと、そして「これは自分がやりたい」という気持ちを尊重しながら分担を決めると、ストレスが軽減され、効率も上がります。例えば、料理が好きな方が食事担当、掃除が好きな方が掃除担当、というように調整することも可能です。
3. 「やってもらう」ではなく「共にやる」意識
どちらか一方が「やってもらう」という受け身の姿勢では、もう一方に負担が集中してしまいます。家事も育児も夫婦共通の課題であり、「共にやる」という意識を持つことが、対等なパートナーシップを築く上で不可欠です。相手が何かをしてくれたら、たとえそれが当たり前のことでも「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えるように心がけましょう。
時間を味方につける具体的な工夫
限られた時間の中で、いかに効率よく、かつゆとりを持って過ごせるかは、共働き家庭の大きなテーマです。
1. タイムマネジメント術の実践
- ルーティン化の推進: 朝と夜のルーティンを夫婦で決めておくと、迷うことなくスムーズに動けます。
- スキマ時間の活用: 通勤時間や子供の昼寝時間など、短い時間を有効活用して情報収集や軽い作業を済ませることもできます。
- 優先順位付け: 全てのことを完璧にこなそうとせず、その日「本当に必要なこと」に集中し、優先順位の低いことは後回しにする勇気を持ちましょう。
2. 時短家電や外部サービスの積極的活用
家事の負担を軽減するためには、便利なツールやサービスに頼ることも賢い選択です。
- 時短家電: 食洗機、乾燥機付き洗濯機、ロボット掃除機、電気圧力鍋などは、時間と手間を大幅に削減してくれます。
- 宅配サービス: 食材宅配サービスやミールキット、ネットスーパーを活用すれば、買い物に行く手間が省けます。
- 外部サービス: 家事代行サービス、一時保育、ベビーシッターなどを必要に応じて利用することも検討してみましょう。これは決して「手を抜く」ことではなく、家族のゆとりと笑顔を守るための投資と捉えられます。
3. 完璧を目指さない柔軟な考え方
家事も育児も「完璧」を目指す必要はありません。時には手抜きをしたり、プロの力を借りたりすることも大切です。例えば、毎日の夕食を外食やデリバリーに頼る日があっても良いのです。柔軟な考え方を持つことで、精神的な負担を減らし、家族との時間や自分自身の休息に充てるゆとりが生まれます。
コミュニケーションで深める夫婦の絆と理解
どんなに素晴らしい分担ルールや時短テクニックがあっても、夫婦間のコミュニケーションが不足していると、不満やストレスが溜まってしまいます。
1. 定期的な夫婦会議のすすめ
月に一度、あるいは週に一度でも、短時間で良いので、夫婦でじっくりと話し合う「夫婦会議」の時間を設けましょう。
- 話し合う内容の例:
- お互いの仕事や育児の状況、困っていること
- 家事・育児分担の現状と改善点
- 週末の予定や子供のイベントについて
- お互いへの感謝の気持ちや労い
形式ばったものでなくても、普段の会話の中で「最近どう?」「何か困っていることはない?」といった声かけを意識するだけでも変わります。
2. 感謝と労いの言葉を伝える
「ありがとう」「お疲れ様」といったシンプルな言葉が、相手の気持ちを大きく変えることがあります。些細なことでも、相手がしてくれたことに対して感謝や労いの気持ちを伝えるように心がけましょう。お互いを認め、尊重する気持ちが、日々の生活の潤滑油となります。
3. お互いのSOSサインに気づく
疲労が蓄積すると、人は感情的になったり、些細なことでイライラしたりしがちです。パートナーの表情や言動から、いつもと違う変化に気づき、早めに声をかける、休息を促すといった配慮が重要です。お互いのSOSサインを見逃さないようにしましょう。
まとめ:完璧ではなく「心地よい」バランスを夫婦で探る
復職後の共働き生活は、多忙な日々が続くかもしれません。しかし、完璧を目指す必要はありません。大切なのは、夫婦で協力し、お互いを思いやりながら、自分たちにとって「心地よい」ワークライフバランスを見つけていくことです。
この記事でご紹介したヒントが、皆さんの共働き生活を少しでもスムーズに進める一助となれば幸いです。もし、さらに具体的な悩みを抱えていたり、他の家庭の事例を知りたいと感じたりした場合は、ぜひ『わが家のバランス物語』のコミュニティで、あなたの声を聞かせてください。共に支え合い、より良いバランスを築いていきましょう。